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税務調査で否認されやすい交際費のポイント

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2024-03-29

 

接待交際費は税務調査でよくチェックされる項目です。

 

私たち税理士も、顧問先の経営者さんや経理さんから「これは経費に入れれますか?」という質問を受けることが多いです。

では、どの様な視点で税務調査で接待交際費が否認されるのかを確認していきましょう。

 

接待交際費とは

筆者が普段、顧問先とのご説明をするときは、接待交際費とは、簡潔に説明すると事業関係者との親睦を深めて、事業活動を円滑にするための費用と説明しております。

国税庁HPでは以下のように説明されています。

(1)概要

交際費等とは、交際費、接待費、機密費その他の費用で、法人が、その得意先、仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答その他これらに類する行為(以下「接待等」といいます。)のために支出するものをいいます。

(2)除外

次に掲げる費用は交際費等から除かれます。

1 専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行等のために通常要する費用

2 飲食その他これに類する行為(以下「飲食等」といいます。)のために要する費用(専らその法人の役員もしくは従業員またはこれらの親族に対する接待等のために支出するものを除きます。)であって、その支出する金額を飲食等に参加した者の数で割って計算した金額が5,000円以下である費用

なお、この規定は一定の事項(下記(3)を参照)を記載した書類を保存している場合に限り適用されます。

3 その他の一定の費用(ノベルティ・会議関連費・取材費など)

(注) 上記2の費用の金額基準である5,000円の判定や交際費等の額の計算は、法人の適用している消費税等の経理処理(税抜経理方式または税込経理方式)により算定した価額により行います。

(3)令和6年度の法改正

平成18年度の税制改正で、1人当たりの金額が5,000円以下飲食等のために要する費用が交際費等から除かれることとなりました。

令和6年度の税制改正では、この金額が10,000円以下に拡充となる案が示されました。

なお、この規定は次の事項を記載した書類を保存している場合に限り適用されます。

(1) 飲食等のあった年月日
(2) 飲食等に参加した得意先、仕入先その他事業に関係のある者等の氏名または名称およびその関係
(3) 飲食等に参加した者の数
(4) その飲食等に要した費用の額、飲食店等の名称および所在地
(5) その他飲食等に要した費用であることを明らかにするために必要な事項

飲食等のレシートや領収書の裏面等に、「人数」や「どなたと行かれたか」など記入するよう税理士からお願いされたことはありませんか?

税務調査の調査官からいきなり質問をされる前に、税理士から事前に質問をされていると言えます。

事業規模別の接待交際費の限度額

まず、ご自身の会社が、どの事業規模に当てはまられるかを確認しましょう。

 

(1)個人事業主

実は、接待交際費の上限額は設けられていません。法律上の理屈では、全額を損金とすることができます。

しかし、実際は「収入に直接的な接待交際費」「事業に関連する接待交際費」しか計上できない判例がありますので、注意が必要です。

 

(2)資本金1億円以下の法人

1.接待交際費のうち、接待飲食費の50%相当額
2.年間800万円までの支出

1.もしくは2.のどちらかを選択します。実務上は「交際費は800万円まで」と考えることが多いです。

接待飲食費のみの支出が1,600万円を超えるのであれば1.の50%相当額を適用した方が有利になりますが、現実的にはそこまで高額な支出は考えにくいため、上限800万円を適用している中小企業が多いです。

 

(3)資本金1億円超~100億円

接待交際費のうち、接待飲食費の50%相当額を損金算入となります。

重要なポイントは「飲食費に限定」されます。

・贈答品

・慶事に関する祝い金

・弔事に関する弔慰金

これらは損金不算入となります。

 

(4)資本金100億円超

接待交際費の「全額」が損金不算入となります。

 

福利厚生費との違い

顧問先の経理さん・メーティスのスタッフさんからよく貰う質問が接待交際費福利厚生費の違いについてです。

顧問先の従業員さんも事業関係者ですので、これは接待交際費なのか福利厚生費なのか、どの様に処理すればよいですか?という疑問が多いです。

 

国税庁HPでは以下のように説明されています。

交際費等とは、得意先や仕入先その他事業に関係のある者などに対する接待、供応、慰安、贈答などの行為のために支出する費用をいいます。

ただし、専ら従業員の慰安のために行われる運動会、演芸会、旅行などのために通常要する費用については交際費等から除かれ、福利厚生費などとされます。

また、社内の行事に際して支出される金額などで、次のようなものは福利厚生費となります。

1 創立記念日、国民の祝日、新社屋の落成式などに際し、従業員におおむね一律に、社内において供与される通常の飲食に要する費用

2 従業員等(従業員等であった者を含みます。)またはその親族等のお祝いやご不幸などに際して、一定の基準に従って支給される金品に要する費用(例えば、結婚祝、出産祝、香典、病気見舞いなどがこれに当たります。)

 

つまり!

専ら従業員の慰安目的 → 福利厚生費

従業員以外の慰安目的 → 接待交際費

という区分となります。

 

ただし、社内一律ではなく、特定の役員・従業員だけへの支出は「現物給与」となり、給与課税・社会保険の対象となる可能性が高いので注意が必要です。

「福利厚生費=社内一律」ということは「社内規定」を備え付ける事が望ましいでしょう。

 

まとめ

今回は「接待交際費」に関連する内容を確認して生きました。

働く世代がどんどん減少していく社会で、経済や事業を盛り上げていく為には、接待交際費は経営として有効で、節税効果も感じやすい支出と言えます。

上手に活用していければ、良い事業活動ができるのではないでしょうか?

 

この記事を監修は「税理士 三浦 研二」が行いました。

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