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倒産防止共済制度の改正迫る
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2024-09-06
いよいよ中小企業倒産防止共済(経営セーフティ共済)の制度改正まで残り1か月となっております。
弊社の関与先様も多数ご利用されていますので、こちらで改めて注意点をアナウンスさせていただきます。
倒産防止共済制度って何?
「昔に加入したけど、そもそもこの制度ってなんだっけ…」と思われている方も多いのではないかと思います。そこでまずは倒産防止共済制度の制度趣旨について改めてご説明したいと思います。
ポイント1 取引先事業者が倒産した場合に掛金の10倍まで借入れ可能
取引先が倒産すると売掛金の貸倒れリスクが発生します。財務状況も厳しくなり金融機関からの支援が難しい状況が想定されますが、本制度に加入していると、MAXで掛金総額の10倍(最高8,000万円)の融資を受けることができます。
無担保、無保証人、無利息での融資となることも魅力です。
つまり「貸倒リスクに備える保険」と言い換えることができるかと思います。
ただし取引先の倒産は法的整理などの要件がありますのでご注意ください(夜逃げはNGです)
また事業資金が必要の場合には掛金総額と年数に応じて一時貸付金を利用できます。
ポイント2 掛金を損金、または必要経費に算入できる
掛金月額は5,000円~20万円まで自由に選べ、増額・減額できます。また確定申告の際、掛金を損金(法人の場合)、または必要経費(個人事業主の場合)に算入できます。
なんとなく節税目的で加入したという方も多いのではないでしょうか?
ポイント3 解約手当金が受けとれる
掛金を12か月以上納めていれば掛金総額の8割以上が戻り、40か月以上納めていれば、掛金全額が戻ります。
解約返戻金は雑収入(利益)に計上されます
従来の節税対策パターン
掛金が全額経費になり、40か月以上納めていれば、掛金全額が戻るという特徴を活かして本来の制度趣旨とは異なりますが、節税対策としてよく活用されてきていました。具体例をあげると以下のようなパターンです。
1.本年は業績好調につき利益が大きく計上されていたので、決算末に倒産防止共済に加入して年払いすることにより一気に経費計上して節税
2.翌年は業績が落ち着いたので掛金額を減らして月払いに変更した
3.数年度に業績悪化につき倒産防止共済を解約。40か月以上の加入により全額返金となった。解約金は利益となるが営業赤字と相殺となり、納税負担はわずかであった。
4.また翌年に利益が計上されたので決算末に倒産防止共済に加入して年払いすることにより節税
この制度は加入要件があり一定規模以上の企業は加入できないので、上記のパターンを活用することにより、中小企業の緊急の節税対策となっておりました。
制度の改正
中小企業にとっては心強かった本制度ですが、上記のような節税パターンについて中小企業庁より「中小企業倒産防止共済制度の不適切な利用への対応について」という名のもとに制度の改正が行われることになりました。
今回の改正では、中小企業倒産防止共済法の共済契約を解約し、再度契約を締結した場合において、その解約した日から2年を経過する日までの間に支出した掛金について、法人課税上、損金算入ができないこととされます(所得税についても同様)。
つまり解約即加入ができなくなりました。
上記改正は令和6年10月1日以後の共済契約の解約について適用される予定です。
今後の対応
令和6年10月1日以後は加入後2年間は経費計上できなくなりますので柔軟性が失われます。そこで本年度に大きく損金計上されるような予定(退職金、修繕など)がある方は、令和6年10月1日までに一度解約および再加入について検討されてもよいかもしれません。
今回の改正にて節税施策としては少し利用しにくくなりましたが「2年縛り」を考慮しても、まだまだ中小企業の力強い味方となりそうな本制度。これからも活用は続いていきそうです。
この記事の監修は「税理士 帖佐 彰也」が行いました。
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